ブルーマウンテンズ

駅前から歩いて3分ほどのところにそのお店はあった。 ビルの谷間にひっそりとはさまれている居酒屋であった。 夜になり表の提灯が灯されない限りわからないような小さなお店であった。 「あった」と書いた通り、今はもうない。

そんなお店から昼近くになると、ハーモニカの音が響いてきた。 そのお店の亭主、トミーさんが吹いているハーモニカの音色だ。 齢(よわい)を感じさせないハーモニカの音に僕は吸い寄せられた。 それからだ、二人でよく「青い山脈」を演奏した。 店内はもちろん店の前にはり出した屋台でも演奏した。 二人で路上ライブさながらの演奏をよくした。 トミーさんは、子供たちが通ると、急に童謡を吹き出し、ますますハーモニカの音が大きくなった。 子供たちが童謡のハーモニカの音色に興味を示していると、トミーさんはニコニコと微笑んで、何か(ハーモニカのことだろう)子供たちに話しかけていた。

そんなことで僕たちは、親父バンドを結成することになった。 初めは屋台が舞台だったので、名前を「チャンチキバンド」にしようかと思ったけど、「青い山脈」ばかり練習していたので、結局「ブルーマウンテンズ」になった。 お察しの通り、「青い」は「ブルー」、「山脈」は「マウンテンズ」だから、「青い山脈」の「ブルーマウンテンズ」というバンド名ができた。

公園での出会い

トミーさんは、やたらどこでもハーモニカを吹いていた。 トミーさんは本当に音が好きなのだ。 そんなトミーさんが自宅にいる時、窓の外からウクレレの音が聞こえてきた。 トミーさんは、すぐにその音源である公園へと走ったそうだ。 そうです、それがブルーマウンテンズのウクレレ担当、レレやぐちさんとの出会いだったのです。

ブルーマウンテンズの名前の由来である「青い山脈」を弾かせていただきました。

青い山脈」 青山哲二 チャンネル YouTube

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